信託できる財産
財産の所有者(委託者)が信託契約により、信頼できる人(受託者)へ託す財産のことを「信託財産」と言います。民事信託では幅広い種類の財産を信託することができます。主な例は次の通りです。
金銭
信託契約に基づいて、管理・運用・処分の権限が受託者へ移行されます。
金銭債権
請求権、将来債権、貸付債権、リース・クレジット債権などの管理・運用・処分の権限が、信託契約に基づき受託者へ移行されます。
不動産
不動産所有権や借地権などの管理・運用・処分の権限が、信託契約に基づき受託者へ移行されます。
動産
ペットなどの動産の管理・処分の権限が、信託契約に基づき受託者へ移行されます。
有価証券
上場株式、非上場株式、国債など、財産権以外の議決権、利用決定権などが受託者へ移行されます。
知的財産権
特許権、著作権などの管理・運用・処分の権限が、信託契約に基づき受託者へ移行されます。
信託できない財産
次の財産は民事信託で信託することができませんので、ご注意ください。
生命・名誉
委託者の生命・名誉などの人格権は信託することができません。
債務・連帯保証
プラスの財産しか信託することはできず、債権や負債などのマイナスの財産は信託することはできません。
銀行口座
銀行口座の預金は「預金債権」ですので、通常、譲渡禁止特約付債権となるため信託することはできません。
信託設定後に得た財産
信託設定後に委託者が得た財産は「信託財産」とはならないため、信託することはできません。追加で得た財産を信託するためには、追加信託する必要があります。
一身専属権
生活保護受給権や年金受給権などの一身専属権は信託することができません。